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ある同窓会

窓面積の広さがそのまま店内の明るさに直結した広い空間。

シャンデリアこそ装備されていないものの間接照明や洒落た蛍光灯で飾られた明るい店内。

とある同窓会会場…

そこそこ集まりだした客達はあちこちで小さなグループを作って談笑していた。

「久しぶりだね。元気…なの?あ~あ、擦り傷たくさん作っちゃってどうしたの」

横から声を掛けられた、黒塗りのC2アイレベルがそれに気付いて気さくに笑った。

「おー!フォトAか!お前も元気そうだな。きれいなもんだな、埃一つない!」

そう言ってC2フォトAをあちこち見回した。

「よしてよ世辞はいいから^^ その両肩の擦り傷、結構ひどいよ自慢の色黒が擦り切れてるよ。
うわ、あちこち端っこも擦りまくってるね、大丈夫?」

「全然大丈夫さ!よく働いたぜ、殆ど毎日出ずっぱり!」

黒はガシガシと頭を掻きながら大声で笑った。

「そんなんじゃ無理しすぎてガタガタじゃないの身体」

心配そうにフォトAがおずおずと小声で言う。

急に真顔になった黒は、

「快調かいちょう!めちゃめちゃハードにこき使われるけどさ、これでも仕事が終わるとキチンと拭いてくれるし、休みの日でも一度は下から上までシャッターきってくれる。何より数年に一度は病院で検査してくれるからね」

「え、まじ!僕なんて病院行ったのはモルトが駄目になった時だけだよ」

心なしかフォトAが少しうな垂れたようだ。

「そっか、いいぜぇ検査病棟はさ。疲れてたり怪我したトコなんてチョチョイと直してくれるし」

そういいながら黒はフォトAを眺め回して感心している。

「でも、どう見てもお前の方がすっげ、綺麗で元気そうだよな」

そう言われて、フォトAはちょっと機嫌を直した。

「あんたは元気かもしれないけど、汚すぎるよ。傷だらけじゃん」

「そういうなよ^^ でも傷や凹みは全然だぜ。擦り傷だって、ご主人の仲間は『お、いい感じに使い込んでるなァ』って言ってくれる」

笑いながらフォトミックの頭をみた黒は眉根を寄せた。

「あれ、気が付かなかったけど頭のシボの中、凹んでるんじゃないか?」

「そうなんだ、一度ご主人の肩からストラップが抜けちゃって落っこちたんだ。結構痛かったよ。目立たなくて良かったって」

「確かにそれさえなけりゃ、新品みたいだもんな」

フォトAの肩に腕を回して黒が笑う。

「とんでもないよ。新品なら向こうにいるよ」

と指差す向こうにはCM2やCEに囲まれた賑やかな一画が合った。

二人はそばへ近づくと黒が感嘆の声をあげた。

「家(元箱)付きじゃん!う~わ、包装されてやんの、おまえまだ新品かよ!まじ?」

疲れきった病人のように新品のC2FBは頭を上げた。

「…故意か、見落としか、それとも…とにかく開封されてないだけだよ」

肩で息をしながらゆっくりと、本当に時間をかけてC2FBは話した。

「どうしたの?新品だったら元気いっぱいのはずでしょ?僕らより病人みたいだよ??」

フォトAも心配そうに覗きこむ。

「そりゃそうでしょ。元箱付き新品なんて呼んでくれるけど数十年間独房で微動だにしない生活だよ。脂ぎれなんて簡単なものじゃないよどこもここも凝り固まってて動けないよ」

「え~だってピッカピカだぜ。どう見てもしんぴ…ん、だもんなァ」

不思議そうな黒、

「外気に触れてもなかったら凹みや擦れどころか焼けさえもないけど工場ラインを出てから、巻き上げる事さえ一度もないんだよ。毎日動いてるアンタが一番健康でしょ」

いつの間にか彼らの周りには人が集まってきていた。

へぇ~とか、ほおぉ等と言う声があちこちのナイコン達からもれ聞こえた。

でもすげーよね家付き新品なんて、自分の家も忘れちゃったァ…

そんな言葉にギャラリーはどっと沸いていた。

だいぶ店内の人数も増えて来ている。



ごほ、ごほ!!

その後ろでもの凄い咳が聞こえた…

終わった後もヒューヒューとのどを鳴らしているCAがいた。

方膝を立ててうずくまっていた。辛そうだ。

「大丈夫かよ、死にそうな咳だったぜ」

黒が駆け寄ってCAの横へしゃがみこんだ。

あちこち擦れて地肌が出た身体だが、一番元気が良さそうだ。

「もう…直らねぇらしいんだ」

思いつめたような顔でCAが呟く。

「ほんとかよ、概観きれいじゃねーか」

僅かに唇の端を持ち上げるとCAは静かに言った。

「ほんとはさ、部品を交換すればまだ何とかなりそうらいんだけど」

「何だよ、重修理は怖いのかよ」

その声にCAが笑って頭を上げた。

「じゃあ、やってもらいなよオペ!」

CAは頬笑みながら首を横に振った。

発作が納まると少し元気が出たようだ。

「ドナーが中々見つからないんだってさ。パーツの保有はとっくに切れてるからナイコン病院にもないらしい。
あんた達と違ってオレは電子が入ってるから中々難しいんだ」

「それじゃお前、発作が始まったらやばいんじゃないのか!?」

黒が膝を乗り出す。他人事には思えないらしい。

「中古って、特に電子の中古ってそんなもんだろ。一旦時間が経っちまうと明日倒れるか、5年持つか・・・・ってね」

伏目がちに笑うCAに今度はフォトAが声をかけた。

「大丈夫さ。ほら見てみなよあそこ。CEやCE2達も結構まだ元気でやってるから」

「ああ、そうだな。ありがとう」

同様に電子が入った従兄弟達を見て、ようやくCAにも笑顔が戻ったようだ。



ナイコン工場19**年代の同窓会。

身体がこわばってまともには動けない元箱付きデッドストックのC2FB。

頭に目立たない凹みはあるものの、美品レベルのC2フォトA。

埃こそないくらい磨かれて入るが両肩を始めあちこち擦れや剥離だらけのオンボロC2アイレベルの黒。

きっとその順番で誰かに引き取られていくんだろう。時代を造ったナイコンC一桁たち。

いや、ひょっとしたら黒はきれいな多機能CE、CA達の後になるかもしれない。


ここはナイコン工場19**年代の同窓会。

明るい店内の窓の外には別の張り紙があった。


「 ☆ セール ☆  中古フィルムカメラ価格はお訪ね下さい 」

| 中古考 修理考 | コメント(0)

今年も良きとしでありますように 

2009.jpg

おかげさまで 

おだやかな新春を迎えることが出来ました。

ありがとうございました。

昨年、ホームページを、Blogを訪れていただいた方々ありがとうございました。

昨年、御依頼を頂いた方々ありがとうございました。

今年も相変わりませずお付き合い頂きますようお願い申し上げます。

今年が皆様にとってより良き年でありますように。


わけ合って本年度の年始のごあいさつは遠慮させて頂いております。

この場を借りまして真似事だけさせて頂きます。

ありがとうございました。

本日より始動致します。

店主

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